ご挨拶
一般財団法人日本きのこセンターは、「シイタケ等きのこ・菌類」を通して我が国の森林・山村の健全な発展、国民の健康増進、そして学術文化の向上に寄与することを基本理念として活動しております。菌蕈研究所は、(一財)日本きのこセンターの中核的機関であり、昭和34年の開設以来、我が国の国土面積の67%を占める森林と中山間地域農林業の発展に貢献することを使命として、きのこに関する総合的研究を展開してまいりました。
燃料革命や都市への人口集中により、荒廃が加速化している里山を積極的な維持管理によって再生することが国民的課題となっております。広葉樹の循環利用による里山保全に重要な役割を果たしている原木シイタケ栽培は、生産者の高齢化・後継者難により、生産が大きく縮減しております。このため、担い手育成が喫緊の課題であり、高位生産技術の普及やブランド化等による高付加価値化を図り、若者が積極的に参入したくなる魅力ある原木シイタケ栽培を具現することが喫緊の課題です。
菌蕈研究所はブランド化等の差別化により、原木シイタケを再生・復活できるとの確信をもって、ブランド力の強い品種の開発や優位性発揮に有効な栽培技術の開発を加速化させるとともに、きのこ栽培担い手などの人材育成に注力してまいります。シイタケ以外の食用きのこについては、森林資源および国産資材の利用を前提とし、消費者ならびに生産者の安心・安全を確保でき、かつ、付加価値の高い品種・栽培技術の開発とその実用化に向けた研究を推進してまいります。また、きのこ類の適正な流通を支援するためのDNA品種識別技術、消費者の安心確保と産地偽装の抑止力強化のための原産地判別技術に関する研究を継続してまいります。さらに、きのこ類の消費拡大および国民の健康増進に貢献するために、食用・薬用きのこ類を含む野生きのこ類の健康機能性に関する研究や栽培実用化に向けた研究を進め、新たな産業利用へ繋げたいと考えております。これらの研究開発を幅広く実施するために、分類・生態研究に基づく菌類・きのこ遺伝資源を拡充するとともに、里山をきのこの山に再生するための方策を検討いたします。
また、米国のクラーク大学とのシイタケゲノミクス共同研究、鳥取大学菌類きのこ遺伝資源研究センターおよびアマゾン研究所(ブラジル)との研究連携を一層強化し、学術文化の向上と人材育成に寄与する所存でございますので、今後とも特段のご指導、ご協力をお願い申し上げます。
概要
名称 | 菌蕈研究所 〒689-1125 鳥取市古郡家211 |
設立 | 昭和34年4月 |
代表者名 | 所長 長谷部 公三郎 |
電話番号 | 0857-51-8111 |
FAX番号 | 0857-53-1986 |
体制
スタッフ
所長(常務理事) | 農学博士 | 長谷部 公三郎 | |
常務理事 | 農学博士 | 福政 幸隆 | |
常務理事 | 江原 啓彰 | ||
事務局 | 課長 | 中西 純子 | |
書記 | 今井 洋子 | ||
研究部門 | 名誉研究員 | 理学博士 | 村上 重幸 |
名誉研究員 | 農学博士 | 時本 景亮 | |
名誉研究員 | 長澤 栄史 | ||
所長付部長兼上席主任研究員 | 農学博士 | 寺島 和寿 | |
所長付部長兼上席主任研究員 | 農学博士 | 作野 えみ | |
主任研究員 | 農学博士 | 奥田 康仁 | |
主任研究員 | 農学博士 | 牛島 秀爾 | |
研究員 | 田淵 諒子 | ||
主任研究員(兼) | 安田 修一 | ||
主任研究員(兼) | 大竹 俊充 | ||
主任研究員(兼) | 笹山 儀継 | ||
主任技師 | 黒田 誠 | ||
技師 | 東田 拓也 | ||
技師 | 堀尾 海智 | ||
非常勤研究員 | 博士(工学) | 奥田 尚子 | |
研究補助員 | 福田 睦章 | ||
研究補助員 | 山枡 美奈 | ||
研究補助員 | 森 浩幸 |
客員研究員 | 鳥取大学農学部附属 菌類きのこ遺伝資源研究センター 特任教授 |
農学博士 | 前川 二太郎 |
研究顧問(非常勤) | 京都大学 名誉教授 | 農学博士 | 頼 平 |
知財活用部門 | 栽培圃場長 | 入江 淳人 | |
コーディネーター | 岡崎 萌生 | ||
沿革
昭和34年4月 | 鳥取市富安に菌蕈研究所(3研究室)を設立 東京教育大学教授平塚直秀博士が所長に就任 |
昭和36年11月 | 菌蕈研究所研究報告第1号 発刊 |
昭和41年9月 | 農林省告示第1,028号をもって、森林法施行令第9条第2号に基づく研究機関として農林大臣の指定を受ける |
昭和47年10月 | 菌蕈研究所(3部9研究室)を鳥取市古郡家に新築・移転 |
昭和48年3月 | 日本育英会法施行令第19条第3項第7号の規定に基づく研究機関として文部大臣から指定を受ける |
昭和49年7月 | 組織・機構を改め、5部11研究室とした |
昭和62年10月 | 研究棟(229m²)を増築 |
昭和63年10月 | 国際流動基礎研究外国人研究者(Science and Technology Agency Fellowship)受け入れ機関として科学技術庁の指定を受ける |
平成4年7月 | 組織・機構を改め、3部7研究室、1室(電算室)とした |
平成6年11月 | カナダ国立北方森林研究所主任研究員平塚保之博士が所長に就任 |
平成10年1月 | 研究部室制を廃止し、プロジェクト制を採用 |
平成11年7月 | 科学技術特別研究員受け入れ機関として科学技術振興事業団(科学技術庁)の指定を受ける |
平成17年11月 | 鳥取大学名誉教授甲元啓介博士が所長に就任 |
平成20年1月 | 福政幸隆博士(研究顧問)が所長に就任 |
平成28年4月 | 長谷部公三郎博士(副所長)が所長に就任 |
研究課題
1.きのこ類の分類と活用
2.きのこ類の成分分析と利用
(1)有用成分の探索と解析
(2)原産国判別の汎用化
3.きのこ類の育種栽培
(1)DNA情報を利用した分子育種技術の開発
(2)原木シイタケの育種栽培に関する研究開発と成果の活用
(3)食用および薬用きのこ類の育種栽培に関する研究開発と成果の活用