シイタケのカドミウム含有量の各国の規制と輸出拡大に向けた低減技術について_第1版
1.はじめに
シイタケは、東アジアで古くから食されてきた伝統的な食材であり、栄養価や機能性の高さから世界的に注目されています1), 2)。特に、乾シイタケは、調理することで旨味成分であるグアニル酸を生成するとともに、レンチオニンという香気成分により独特の風味を醸し出すため、日本食には欠かせない重要な食材です。また、食物繊維が豊富で、整腸作用や生活習慣病予防効果が期待されています。さらに、紫外線照射によりビタミンD2を生成し、カルシウムの吸収を促進することで骨の健康にも貢献します。これらの健康機能性は人々の健康増進に大きく寄与することが期待されます。
一方で、シイタケは人体に有害なカドミウムを蓄積する傾向があることが知られています。一人当たりの消費量が少ないこともあり、シイタケのカドミウムの健康への影響はほとんどないと考えられ、日本や米国ではカドミウム含有量の規制値は設けられていません。しかしながら、EUなど一部の国・地域では、含有量の規制値を設け、さらに強化する動きがあることから、我が国からのシイタケの輸出拡大の障壁になる可能性があります。
「イノベーション創出強化研究推進事業(JPJ007097)、課題名・有害元素(放射性セシウム、カドミウム)低蓄積原木シイタケ品種の開発(令和2年度~令和6年度)」では、シイタケに含まれる有害成分であるカドミウムに着目し、研究開発を進めてきました。これは、国・地域間の食品安全基準の差異により、我が国のシイタケ輸出が制約を受ける可能性に鑑み、その対策を検討・検証するためです。シイタケは健康機能性に優れた食材であり、適正なシイタケ食は人々の健康増進に大きく貢献すると期待されます。本事業の成果が、我が国の原木シイタケの国内外における消費拡大および人々の健康増進に繋がれば幸いです。
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